研究課題/領域番号 |
21K06963
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山本 洋平 秋田大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (70400512)
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研究分担者 |
大森 泰文 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (90323138)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 線維形成性小細胞腫瘍 / 腫瘍産生分泌小胞 |
研究成果の概要 |
線維形成性小細胞腫瘍は、若年男性の腹腔内に発生する治療抵抗性の稀な肉腫で、massiveな肝転移が予後不良因子の一つと言われている。この肉腫の肝転移成立・維持については不明な点が多い。我々は、がん微小環境の制御因子である腫瘍産生分泌小胞に着目し、線維形成性小細胞腫瘍の肝転移成立・維持を促進する機構を明らかにすることを目標としている。そのために行うin vivo / in vitro実験には、腫瘍由来の株細胞が不可欠である。我々は、国内の研究機関と交渉して研究試料の提供に関する覚書を結んだ上で、株細胞を入手した。現在、腫瘍産生分泌小胞を超遠心法で単離するために、株細胞を大量に培養中である。
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自由記述の分野 |
病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者が経験し報告した2例の線維形成性小細胞腫瘍剖検症例においても、肝転移巣が初診時から発見され、剖検時には肝実質を半分以上置換するほど著しく認められた。この肝転移により、症例1では高度の肝不全が、症例2では門脈圧亢進症に続発した胃静脈瘤破裂による出血性ショックが起こった。以上の事実から、線維形成性小細胞腫瘍の腫瘍組織には、肝転移の成立・維持を促進する固有の機構が存在する可能性が示唆される。転移成立・維持を促進する因子を特定できれば、これらを制御することにより、肝内における腫瘍細胞のviabilityを低下させ、肝転移を有する大多数のDSRCT患者の治療戦略を改善できる。
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