研究課題
①アミロイド線維形成を修飾する生体分子群の試験管実験による解析:大阪大学、新潟大学等との共同研究により、β2-ミクログロブリン(β2-m)アミロイドーシスの危険因子として、既知の因子に加え、血中アルブミン濃度の低下が第3の因子であることを、患者・健常者血清を用いた試験管実験により明らかにし、論文発表した。アルブミンは、β2-mアミロイドを含む多くのアミロイドの共存蛋白質であり、本研究課題の主要な研究計画である「共存蛋白質の試験管内β2-mアミロイド線維形成に及ぼす影響の解析」の成果を挙げることが出来た。②プロテオーム解析のアミロイドーシス病型診断・病態解明への応用(研究分担者の植田との共同研究):トランスサイレチンアミロイド(ATTR)が大動脈弁へ沈着することにより、急速に進行する大動脈弁狭窄症を来した症例を論文報告した。これはATTRアミロイドーシスが大動脈弁狭窄症の原因となり得ることを、免疫染色に加えプロテオーム解析を駆使して証明した世界で初めての報告である。また、プロテオーム解析データより、β2-mアミロイドーシスと共通する共存蛋白質が検出され、今後の研究に重要な示唆を与えた。全国規模で実施しているアミロイドーシス病型診断コンサルテーションの結果を集計し、ATTR心アミロイドーシスに対する新規治療薬、新規診断薬の承認が、循環器内科医の同疾患に対する認知度を高め、診断数の著しい増加に繋がったことを世界に先駆けて実証し、論文発表した。本コンサルテーションは免疫染色とプロテオーム解析を組み合わせて実施しており、診断症例の中にはβ2-mアミロイドーシスのプロテオーム解析症例も含まれている。最新の日本病理剖検輯報に基づく全身性アミロイドーシス病型頻度の疫学調査委を実施した。ATTRアミロイドーシスが最も多く(44.4%)、β2-mアミロイドーシスの頻度は6.0%であった。
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