世界では年間に数千万人が急性の炎症性疾患に罹患する。死亡率は高く、例えば敗血症では4割を超える。COVID-19における主たる死亡原因も肺および全身性炎症によるサイトカインストームの結果である。しかし、有効な薬剤は存在しない。 一方で、病原体と宿主は互いに牽制しつつ進化してきた。この長い歴史の中で、病原体は宿主免疫の回避・抑制を図り感染を続けてきた。その結果として病原体には宿主の中で有効な免疫回避・抑制機構が選択されて残っていると思われる。よって、病原体の免疫抑制機構を同定すれば、宿主の人為的な免疫制御に応用できる可能性が高いと考え本計画を立案した。
|