研究課題/領域番号 |
21K06987
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 稔幸 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (00462739)
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研究分担者 |
岩永 史朗 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20314510)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | マラリア / 有性生殖 / ヘテロクロマチン / エピジェネティクス |
研究実績の概要 |
真核生物のゲノムDNAには高度に凝縮されたヘテロクロマチン領域があり、その一部は特定の遺伝子発現の抑制的制御に働くことが知られている。一般に遺伝子発現制御に関与するヘテロクロマチンはヒストンH3K27のメチル化を基盤としているが、マラリア原虫はH3K9を基にしたヘテロクロマチンを必要に応じて構築・解除することが示唆されている。本研究は、マラリア原虫の有性生殖細胞(ガメトサイト)分化に働くマスター遺伝子AP2-Gにおいて、その発現を制御するヘテロクロマチン化を誘発するメカニズムの解明を目指している。2021年度は、Ap2-G遺伝子のヘテロクロマチン領域を含む遺伝子座を完全に除いたAP2-Gdel原虫株に、AP2-Gプロモーター(AP2-Gpro)を連結したレポーター遺伝子mNeongreen(mNG)を人工染色体として導入し、AP2-Gpro::mNGの発現と人工染色体上でのヘテロクロマチン化を評価できるアッセイ系を構築することに成功した。ネガティブコントロールである異種遺伝子のプロモーターを連結したCam::mNGと比較した結果、AP2-Gpro::mNG導入株ではmNGシグナルのない細胞が高頻度に観察された。この結果はもとの染色体上におけるAP2-G遺伝子と同様に、人工染色体上のAP2-Gプロモーターもエピジェネティックな抑制制御を受けている可能性を示唆している。次年度からは、人工染色体におけるヘテロクロマチンマーカー(ヒストンH3K9のメチル化、HP1タンパク質の結合など)を解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AP2-G遺伝子プロモーターのヘテロクロマチン領域はやや長いため、人工染色体へのクローニングが難航した。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り2021年度に人工染色体の構築に成功したため、2022年度はマラリア原虫に導入した人工染色体上のAP2-Gにおけるヘテロクロマチン化を解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度の研究は計画通り進行した。その結果次年度において、大規模シーケンス解析の発注件数が予想よりも多く見込まれる計画となったため、その費用として次年度使用額を確保した。
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