Irgb6はトキソプラズマが形成する寄生胞膜(PVM)の破壊を先導するタンパク質である。Irgb6の結晶構造を明らかにした。得られた分子構造と既知の研究結果からPVM結合部位を予測し、ドッキングシミュレーションと細胞を使った検証実験を行なった結果、Irgb6がPVM特異的リン脂質と結合してPVMに蓄積し、他のPVM破壊に関わるタンパク質を効率よくPVMに導いてトキソプラズマ殺傷に大きく貢献していることを明らかにした。さらに、Irgb6擬似リン酸化変異体の結晶構造を決定し、ドッキングシミュレーションなどから、トキソプラズマがIrgb6からの攻撃を回避するためのIrgb6不活化機構を提唱した。
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