本研究の目的はマラリア原虫ガメトサイト期におけるトランスロコン関連分子の役割を明らかにすることである。本研究を通して、ガメトサイト形成株であるNF54株の遺伝子改変ノウハウに関する知見を得た。さらにガメトサイト形成に関与するマラリア感染赤血球のヒト骨髄間葉系幹細胞への接着現象に着目した。赤内期およびガメトサイト期の感染赤血球の不死化ヒト骨髄間葉系幹細胞への接着評価系を構築し、その現象に関与する原虫の接着リガンド候補分子を複数同定した。この接着現象は赤内期のみならずガメトサイト期においても保存されている可能性があるため、今後は同定した分子群のガメトサイト期での役割に着目して本研究を展開する。
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