研究課題/領域番号 |
21K06995
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
吉田 彩子 宮崎大学, 農学部, 教授 (20343486)
|
研究分担者 |
佐藤 裕之 宮崎大学, 農学部, 准教授 (20545404)
丸山 治彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (90229625)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 寄生線虫 / ナノビーズ / 体内移行 / RNAseq |
研究成果の概要 |
寄生線虫の豚回虫とネズミ糞線虫の感染型L3 (iL3)を、蛍光標識ナノビーズとの共培養により、遺伝子組み換え技術を用いることなく感染性を保持したままで標識する技術を確立した。 また、線虫類幼虫の体内移行における組織親和性決定因子の解明を試みるため、ネズミ糞線虫iL3と、頭蓋腔(hL3)または肺(lL3)に移行した第3期幼虫を材料としてRNAseq解析を実施し、それぞれのステージで特徴的な遺伝子の発現パターンを解析した。体内移行経路の決定に関連性が示唆された44遺伝子について、さらに、RNAi等の技術を用いて発現修飾することで、幼虫の体内移行経路に与える影響を検討していく。
|
自由記述の分野 |
寄生虫学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
寄生性蠕虫類は多細胞生物であるため組換体の作出が困難で、動物宿主への感染が生活環の維持に必須なことから組換体の株化にも大きな労力が必要となる。本研究で確立したナノ粒子を用いた寄生線虫幼虫の標識技術は、遺伝子を組み替えることなく比較的長期間幼虫を蛍光標識することを可能とすることから、宿主体内での寄生現象の解析に大きく貢献する新しい技術であると言える。また、ネズミ糞線虫の発現遺伝子解析により得られたデータの解析が進み、線虫類幼虫の体内移行における組織親和性決定因子が明らかとなれば、寄生虫の体内移行という生命現象の解明や寄生虫症の病態形成メカニズムの解明につながる新しい知見が得られると期待される。
|