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2023 年度 実施状況報告書

授乳期に特異的なマラリア病態とその分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K06997
研究機関杏林大学

研究代表者

新倉 保  杏林大学, 医学部, 講師 (30407019)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードマラリア / 授乳期 / 乳腺組織 / 乳腺炎 / 比較プロテオーム
研究実績の概要

これまでに、マラリア流行地の授乳期マラリアの病態を反映する新たなマウスモデルを作出している。このマウスモデルの病態解析を行ったところ、授乳期のマウスはマラリア原虫に対する感受性が高まることが示唆された。また、授乳期マラリアのマウスモデルでは、乳汁合成/分泌が活性化することを見出している。
授乳期マラリアのマウスモデルの乳腺組織のプロテオームの解析を重ね、詳細に解析した結果、マウスモデルの乳腺組織で組織修復に関わる分子(plet1)が著しく増加していることを見出した。これらの結果から、授乳期マラリアのマウスモデルの乳腺組織では、マラリアによる乳腺組織障害の代償機転のために組織修復が活性化している可能性がある。そこで、乳腺組織の組織修復とPlet1との関係を明らかにするために、crispar/cas9システムでPlet1欠損マウスを作出した。現在、Plet1欠損マウスを用いて、授乳期マラリアのマウスモデルの病態解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マラリア流行地の授乳期マラリアの病態をマウスモデルで検証した結果、乳腺組織で組織修復に関わる分子(plet1)が著しく増加していることを見出した。これらの結果から、授乳期マラリアのマウスモデルの乳腺組織では、マラリアによる乳腺組織障害の代償機転のために組織修復が活性化していることが示唆された。よって、本年度の目的は達成された。

今後の研究の推進方策

乳腺組織の組織修復とPlet1との関係を明らかにするために、Plet1欠損マウスを用いて授乳期マラリアのマウスモデルにおける乳腺組織の病態を解析する。

次年度使用額が生じた理由

本年度、試薬代等を節約できたため次年度使用額が生じた。
次年度、この予算で論文投稿に関する費用の支出ならびに授乳期のマラリアの病態解析に係る試薬等の消耗品の購入を計画している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Characterization of a nuclear transport factor 2-like domain-containing protein in Plasmodium berghei2024

    • 著者名/発表者名
      Niikura Mamoru、Fukutomi Toshiyuki、Mitobe Jiro、Kobayashi Fumie
    • 雑誌名

      Malaria Journal

      巻: 23 ページ: 13

    • DOI

      10.1186/s12936-024-04839-9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Disruption of Zinc Homeostasis in Plasmodium falciparum is Induced by Dihydroartemisinin Leading to the Potentiation of Growth Inhibition via Pyknosis2024

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Asahi, Mamoru Niikura, Shin-Ichi Inoue, Fujiro Sendo, Fumie Kobayashi, Akira Wada
    • 学会等名
      第93回日本寄生虫学会大会
  • [学会発表] 臨床より分離された薬剤耐性腟トリコモナスの嚢子様構造形成と薬剤耐性能の獲得について2024

    • 著者名/発表者名
      Xioxia X Lin,坂本寛和,新倉保,横田睦美,中野由美子,Sichang T Wang,糸山頌理,金子明夏,甲賀かをり,山崎香織,生水真紀夫,彦坂健児
    • 学会等名
      第93回日本寄生虫学会大会
  • [学会発表] 抗マラリア活性を示すβ-カルボリン/クマリンハイブリッド化合物の発見2024

    • 著者名/発表者名
      二村友史,長展生,喜久里貢,新倉保,早瀬大貴,清水猛,小林富美惠,小山裕雄,渡辺信元,長田裕之
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会
  • [学会発表] 臨床より分離された薬剤耐性膣トリコモナスが形成する嚢子様構造について2023

    • 著者名/発表者名
      Xioxia X Lin,坂本寛和,新倉保,中野由美子,Sichang T Wang,糸山頌理,金子明夏,甲賀かをり,山崎香織,生水真紀夫,彦坂健児
    • 学会等名
      第81回日本寄生虫学会東日本支部大会・第56回日本原生生物学会大会・第73回日本衛生動物学会東日本支部大会合同大会
  • [学会発表] 複数ライフステージをワクチンターゲットにした熱帯熱マラリアワクチンの開発2023

    • 著者名/発表者名
      水野 哲志, Andrew Blagborough, 新倉 保, 伊從 光洋, 水上 浩明, 志田 壽利, 吉田 栄人
    • 学会等名
      第27回日本ワクチン学会・第64回日本臨床ウイルス学会合同学術集会
  • [学会発表] 長期間効果を示した熱帯熱マラリアマルチステージワクチンについての検討2023

    • 著者名/発表者名
      水野哲志,Andrew Blagborough,新倉保,伊從光洋,山本祐太朗,坂本明彦,水上浩明,志田壽利,吉田栄人
    • 学会等名
      第 78 回日本寄生虫学会西日本支部大会
  • [図書] 原生生物学事典2023

    • 著者名/発表者名
      矢﨑 裕規・新倉 保・猪飼 桂・矢吹 彬憲・永宗 喜三郎・松崎 素道・白鳥 峻志・島野 智之・小林 富美惠
    • 総ページ数
      452
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      978-4-254-17181-5

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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