研究課題/領域番号 |
21K07000
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
成田 浩司 弘前大学, 医学研究科, 助教 (30419220)
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研究分担者 |
中根 明夫 弘前医療福祉大学, 保健学部, 教授 (30164239)
浅野 クリスナ 弘前大学, 医学研究科, 教授 (70598622)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スーパー抗原 / ワクチン / Clumping factor A / TSST-1 |
研究実績の概要 |
令和3年度の研究において、GST融合タンパク質発現用ベクターpGEX-6p-1に黄色ブドウ球菌の接着因子の一種であるClumping factor Aのフィブリノーゲン結合領域(ClfA40-559)をコードするDNA配列を組み込んだ組換えプラスミドでトランスフォーメーションしたE. coliDH5α株を用い、ClfA40-559の組換えタンパク質(rClfA)を精製した。1回の精製作業でのrClfAの精製量が少なく、GST融合ClfA40-559とグルタチオンレジンの結合に要する時間、添加するレジン量の検討の他、GSTタグを切断するPreScission proteaseの作用時間、切断したGSTタグを回収するレジンの量など精製条件の検討を要したが、1回の精製作業で約1.5 mg程度のrClfAの精製が可能となった。大量精製したrClfAをアジュバントのAlumとともにC57BL/6マウスに皮下投与することでワクチン接種を行った。最終ワクチン接種の12週間後に脾細胞を調整し、脾細胞中のメモリーT細胞のサイトカイン産生能を検討中である。 黄色ブドウ球菌が産生するスーパー抗原の1種であるToxic shock syndrome toxin-1(TSST-1)がClfA40-559ワクチンの感染防御効果に与える影響、ワクチンで誘導されたメモリーT細胞のサイトカイン産生能に与える影響を明らかにするために、TSST-1遺伝子を組み込んだGST融合タンパク質発現ベクターでトランスフォーメーションしたE. coli DH5α株を用い、TSST-1の組換えタンパク質を大量精製した。1回の精製作業でのrTSST-1 精製量は1.8 mg程度で当面の実験に使用する量を確保することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度はIL-17レポーターマウスを得るために、Il17creマウスと R26ReYFPマウスをJackson laboratoryより購入し交配する予定であったが、Jackson laboratoryでの販売が令和4年の8月以降と現在入手できない状況であり、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、8月以降に販売されるIl17creマウスと R26ReYFPマウスを購入し、交配で得られたIL-17レポーターマウスにClfA40-559ワクチンを接種し、脾細胞をリコンビナントTSST-1の存在下、非存在でrClfAで再刺激し、フローサイトメトリ―でメモリーT細胞のサイトカイン産生パターンを解析することによりTSST-1がメモリーT細胞のサイトカイン産生パターンに与える影響を明らかにする。一方、Il17creマウスの販売が8月以降であり、交配で得られるIL-17レポーターマウスを使用できるのが12月以降となることが予想される。そこでこの間に令和5年度に予定していた、ClfA40-559ワクチンを接種したC57BL/6マウスに黄色ブドウ球菌スーパー抗原非産生株RN4220株と作成済みのRN4220株のTSST-1強発現株を感染後、生存率等を解析し、スーパー抗原がワクチン免疫効果に与える影響の検討を今年度に繰上げ実施する。
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