研究課題/領域番号 |
21K07010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
山本 惠三 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (90254490)
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研究分担者 |
矢野 寿一 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20374944)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | メタロ―βーラクタマーゼ / 基質特異性 / X線結晶構造解析 / 分子動力学的シミュレーション |
研究成果の概要 |
IMP-6とIMP-1の構造をX線結晶構造解析により明らかにした。さらに、すでに構造が明らかになっている3種のIMP型β-ラクタマーゼに対し、基質結合に関与する、フレキシブルループ(L1)と呼ばれる部分の柔軟性と、酵素学的性質(Km)とを比較した。その結果、L1の柔軟性がより高い酵素ほど、メロペネムに対するKmが低く、基質特異性が高い傾向があることを明らかにした。 また、IMP-6にメロペネム、イミペネムを結合させた状態の構造を分子動力学的シミュレーションにより決定し、基質との相互作用の違いを解析した結果、R2側鎖が大きい基質だと、L1の動きが大きくないと結合、脱離できないことを推測した。
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自由記述の分野 |
タンパク質工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦で問題となっているカルバペネマーゼ産生菌の多くはIMP-6 メタロ―β―ラクタマーゼを産生する。本酵素はIMP-1と1アミノ酸しか異ならないにもかかわらず、治療に使用されるメロペネムに対する活性が高いことが問題である。本研究の学術的意義は、この基質特異性の違いの原因をX線結晶構造解析により明らかにしたことである。 また、分子動力学的シミュレーションにより、基質結合に関与するループの柔軟性が大きくないと、メロペネムのようなR2側鎖の大きな基質に対する活性が低いことを明らかにした。社会的意義は、今後R2側鎖の大きな抗菌薬の開発が、IMP-6産生菌に対して有効である可能性を示唆したことである。
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