研究課題/領域番号 |
21K07013
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
炭山 和毅 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90385328)
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研究分担者 |
金城 雄樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20570831)
須田 亙 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 副チームリーダー (20590847)
杉本 真也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (60464393)
高安 伶奈 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (20814833)
加藤 正之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (00366220)
古橋 広人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60909894)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 胆管ステント / バイオフィルム / メタゲノム解析 / 閉塞性黄疸 |
研究実績の概要 |
2021年4月より新規に8例の閉塞性黄疸患者の胆管ステントを回収した。8症例の各々のステントサンプルに対し嫌気培養・胆汁培養・胆泥培養およびバイオフィルム構造解析を実施した。培養では、Bacillus subtilis(8例中6例)、Enterococcus spp.(8例中5例)、Escherichia coli(8例中3例)が主要な構成菌として検出された。またバイオフィルム解析では異なる3種類の胆汁酸(コール酸、デオキシコール酸、リトコール酸)の環境下でバイオフィルム形成能に差が生じることがわかった。また様々な薬剤存在下でバイオフィルム形成能を比較し、特定の物質で胆管ステント内のバイオフィルム形成が抑制される可能性が示唆された。さらに、胆管ステント内の胆泥に対し16S rDNAアンプリコンシークエンスを行った。その結果、Lactobacillus(8例中5例)、Enterococcus(8例中7例)、Escherichia(8例中6例)、Klebsiella(8例中8例)と培養法の結果と矛盾がない結果が得られる一方で、Pyramidobacter(8例中4例)、Lactobacillus(8例中5例)、Fusobacterium(8例中6例)、Citrobacter(8例中4例)など培養法で検出されない菌が主要な菌として検出された。特にPyramidobacterは、同菌の相対的豊富度が50%を超える第一位菌種である症例であっても、培養法では検出されないといった結果の齟齬が確認された。また、蛍光顕微鏡による観察では、ステントの内腔中心付近にはPolysaccharideが充満する一方で、ステントの内側の表面に特異的に多く集合する菌が認められた。今後は、これらの菌の単離をすすめ、胆汁酸を含めた種々の環境下でバイオフィルム形成能を評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究へリクルート可能であった症例数は8例と、当初予定人数より少なかった。
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今後の研究の推進方策 |
単離された菌において胆汁酸を含めた種々の環境下でバイオフィルム形成能を評価する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者のリクルートが想定より少なかったため。
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