研究課題/領域番号 |
21K07014
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
河村 好章 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (80262757)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | CRISPR |
研究実績の概要 |
東京の1つの病院からの多数のHelicobacter cinaedi分離株については、すでに100株以上を受領している。そのうち99株については、whole genomeのドラフト解析を終了することができた。今後、これらのデータを使って、分離年月日の順番や、分離病棟をはじめとした臨床背景(この情報については、まだ病院側から受領しておらず、情報提供待ちである。)および、これまで使用してきたCRISPR配列に基づく、進化系統を確認し、同じ方向性を持って進化(または変異の蓄積)を示す遺伝子を探索したい。 なお、本研究を推進する過程で、ヒトから分離されるHelicobacter属菌種で、既存の菌種に当てはまらない株があることが明らかとなり、Helicobacter kumamotonensisとの名称をつけ、分類学的に正式に発表することができた。本研究のため、遺伝子を詳細に解析する事に拠り、新菌種の発見に繋げることができたと考えている。またヒト臨床に於いてはHelicobacter属菌が見いだされると、ほとんどH. cinaediであると考えらえてしまうが、分類学的に異なる菌種が存在する事、それらを正規のH. cinaediと区別する事に拠り、H. cinaediの疫学解析の精度を挙げることにも貢献できたと考えている。本成果について、アメリカ微生物学会(ASM)およびヨーロッパ微生物学会(FEMS)にて発表し、世界的に周知を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
病院からの臨床データの入手を待っている。またゲノムデータは決定できたが、その詳細な解析は未着手である。
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今後の研究の推進方策 |
ゲノムデータの解析を早急にスタートしたい。Helicobacter cinaediを使った解析方法で、良好な成果が得られた場合には、Acinetobacter sp.、Clostridium difficile、A群およびB群連鎖球菌などにも適応し、その有用性を確認したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に計画していた国際学会での発表が2023年度にずれ込んだため。2023年度に執行予定です。
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