研究課題
基盤研究(C)
本研究では、ピロリ菌病原因子CagAの標的分子として知られる発がん性チロシンホスファターゼSHP2を分子標的とした新規の阻害剤開発を目指した研究を推進した。阻害剤開発の種となる低分子化合物を網羅的にふるいにかけるスクリーニング実験を実施し、有機合成による分子改変を進めてSHP2阻害剤として新規の分子骨格を有する化合物Xを取得することに成功した。さらに、化合物XとSHP2との立体構造解析を通して、化合物Xが新規の作用機序でSHP2を阻害することを明らかにした。
分子生物学
本研究では、がんの発症機構に関わる発がん性チロシンホスファターゼSHP2を分子標的とした阻害剤探索を実施し、SHP2阻害剤として新規の分子骨格を有し、また新規の作用機序で阻害効果を発揮する化合物を取得することに成功した。SHP2はがん細胞の増殖シグナルを促進する重要な分子であることから、その阻害剤となりうる化合物の取得は新規抗がん剤開発へ向けた重要な成果と考えられる。