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2023 年度 実施状況報告書

G群レンサ球菌による劇症型感染症の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 21K07034
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

池辺 忠義  国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (20333362)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード病原性 / 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 / レンサ球菌 / 侵襲性細菌感染症
研究実績の概要

原因遺伝子の変異によりin vivoで病原性に影響を与えるか調べるため、マウスをもちいた動物実験を行った。咽頭炎患者分離株、咽頭炎患者分離株の原因遺伝子を変異させた株について様々な菌濃度の菌液を調製した後、各菌株を5-6週齢のddYマウスの腹腔内に接種して7日間経過観察し、各株の生存曲線を作成した。その結果、原因遺伝子が変異することにより、マウスに対する致死性が増強することが判明した。
STSS患者では、腎障害など多臓器不全がみられることから、原因遺伝子の変異により腎臓、および、肺に障害が起きるか調べた。ddYマウスの腹腔内に菌を接種後24-48時間の腎臓、および、肺を摘出して病理組織標本を作製し、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を行い、病理組織検査を行った。原因遺伝子の変異株では、臓器に菌が検出されるとともに炎症細胞の浸潤がみられた。
STSS患者では壊死性筋膜炎や軟部組織壊死がみられる。原因遺伝子の変異によりこのような病態がみられるか調べるため、ヘアレスマウスの皮下に菌を接種し、経過観察した。壊死を起こした皮膚の領域を測定し、それぞれの株で比較した。マウスから、接種後48-72時間の皮膚、皮下組織を摘出した。その後、病理組織標本を作製し、HE染色を行い、病理組織検査を行った。その結果、変異株では、感染の広がりとともに、菌の検出および組織の破壊がみられたが、変異のない株では、局所に炎症細胞の浸潤がみられるが、菌はみられなかった。
このことから、マウスを用いた動物実験で、原因遺伝子の変異は、致死性および臓器障害を増長することが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウスを用いた動物実験において、遅れを生じたから

今後の研究の推進方策

ゲノムレベルにおける原因遺伝子変異の影響を行う。

次年度使用額が生じた理由

年度末納品等にかかる支払いが、令和6年4月1日以降となったため。
当該支出分については次年度の実支出額に計上予定であるが、令和5年度分についてはほぼ使用済みである

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Epidemiological shifts in and impact of COVID-19 on streptococcal toxic shock syndrome in Japan: A genotypic analysis of group A Streptococcus isolates2024

    • 著者名/発表者名
      Ikebe Tadayoshi、Okuno Rumi、Uchitani Yumi、Yamaguchi Takahiro、Isobe Junko、Maenishi Emi、Date Yoshimi、Otsuka Hitoshi、Kazawa Yu、Fujita Shohei、Kobayashi Ayaka、Takano Mami、Tsukamoto Shinya、Kanda Yoshiko、Ohnishi Makoto、Akeda Yukihiro
    • 雑誌名

      International Journal of Infectious Diseases

      巻: 142 ページ: 106954~106954

    • DOI

      10.1016/j.ijid.2024.01.021

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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