研究課題/領域番号 |
21K07044
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
池田 正徳 鹿児島大学, 総合科学域総合研究学系, 教授 (30315767)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | SARS-CoV-2 / Nタンパク質 / スプリットルシフェラーゼアッセイ |
研究実績の概要 |
抗ウイルス剤開発においてC型肝炎ウイルス (HCV)治療剤は成功例として挙げることができる。HCV治療剤は多剤併用で使用されるが、ウイルスの複製と粒子形成の2つのステップに関わるNS5Aの阻害剤は中心的な役割を果たしている。COVID-19の原因となるSARS-CoV-2治療剤の開発において、HCV治療剤開発を参考にする。本研究では、SARS-CoV-2のタンパク質の中で、複製と粒子形成に必要なNタンパク質のダイマー形成を阻害する治療剤の開発を目的とする。申請者はNタンパク質の遺伝子を含むSARS-CoV-2レプリコンを開発し、いくつかの治療剤効果を見出している。 本年度はNタンパク質がダイマー形成をすると発光するスプリットルシフェラーゼアッセイ系を開発を実施した。初めにSARS-CoV-2レプリコンのNタンパク質遺伝子を鋳型としてNタンパク質遺伝子にナノルシフェラーゼのN末端ドメイン遺伝子またはC末端ドメイン遺伝子を融合した発現ベクターを作成した。2つの発現ベクターを細胞に導入し発光を確認することができた。次年度は、導入細胞や投与条件等についての最適化を実施し、化合物の評価を実施する。最終年度にはスプリットルシフェラーゼアッセイ系でNタンパク質のダイマー形成を阻害する化合物についてSARS-CoV-2レプリコンによる、Nタンパク質発現抑制効果及び複製阻害効果についての評価を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はNタンパク質がダイマー形成をすると発光するスプリットルシフェラーゼアッセイ系を開発を実施した。初めにNタンパク質遺伝子にナノルシフェラーゼのN末端ドメイン遺伝子またはC末端ドメイン遺伝子を融合した発現ベクターを作成した。2つの発現ベクターを細胞に導入し発光を確認することができた。スプリットルシフェラーゼアッセイ系を開発し発光を確認できたので、計画通りNタンパク質のダイマー形成を阻害する化合物のスクリーニングを開始できる目処がついた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、導入細胞や投与条件等についての最適化を実施し、化合物の評価を実施する。最終年度にはスプリットルシフェラーゼアッセイ系でNタンパク質のダイマー形成を阻害する化合物についてSARS-CoV-2レプリコンによる、Nタンパク質発現抑制効果及び複製阻害効果についての評価を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
発現ベクターの開発が順調に進行し消耗品、人件費にかかる費用を節約することができた。また、コロナ禍で現地への学会参加がwebでの参加に変更となったため、交通費、宿泊費等の費用が不要となった。
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