現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度は、UL97の新規基質(DNAJA1)とUL97の活性制御に関与する因子(NONO)をそれぞれ同定することができた。予備実験においてDNAJA1を含むHSP40に対する阻害剤を用いたところ、HCMVの増殖が顕著に減弱することがわかった。DNAJA1のノックアウト細胞を作製済みであり、DNAJA1のウイルス増殖における重要性を検討するのに用いる。同様にRB不活化アッセイにおいてNONOの不在が及ぼす影響を調べるためにNONOノックアウトSaos-2細胞を作製済みである。 HCMVは広い細胞種(fibroblast, endothelial, epithelial, smooth muscle cells, macrophage)で増殖可能であり、HCMV研究に汎用されるfibroblast以外の細胞も用いることで新たな知見が得られる可能性がある。但し、他の細胞ではfibroblastよりも感染効率が低い。そこで令和3年度はEpithelial RPE-1A細胞において、感染条件の検討を行い、遠心法により感染効率が上がることを見出した(centrifugal enhancement)。
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