研究課題/領域番号 |
21K07073
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
小林 大貴 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (30528683)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | MDS / 器質化肺炎 |
研究実績の概要 |
骨髄異形成症候群(Myelodysplastic syndromes, MDS)は造血幹細胞で生じた遺伝子変異に起因して発症する難治性疾患であり、無効造血に伴う血球減少と異形成を大きな特徴とする。遺伝子発現調節因子HMGA2 高発現の MDS 症例が多数報告されているが、それがどのように病態に関与するかはわかっていなかった。我々は HMGA2 高発現 MDS モデル動物を作出し、 HMGA2 が MDS において器質化肺炎(免疫応答異常)を引き起こすことを突き止めた。そこで本研究では HMGA2 高発現が器質化肺炎を引き起こす機序を解明し、異常免疫応答の制御方法開発につなげることを目的とした。前年度までに肺障害の責任免疫細胞が好中球であることを明らかにしていた。本年度は好中球がどのように器質化肺炎に関与するのかを解析した。造血幹・前駆細胞でトランスクリプトーム解析を行った結果、RUNX1 変異・HMGA2 高発現により血小板活性化シグナル関連遺伝子群の発現亢進が観察された。活性化血小板マーカーである P-selectinの抗体を用いたフローサイトメトリー解析により、実際に HMGA2 高発現 MDS マウスの血小板は活性化しており、好中球と結合していることがわかった。活性化血小板と結合した好中球は好中球細胞死を介して肺組織障害を引き起こしうることが知られており、このことがHMGA2 高発現 MDSにおける器質化肺炎の病態機序であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二年目の目標としていたHMGA2が器質化肺炎を惹起する機序の大枠を捉えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度に特定したHMGA2が器質化肺炎を惹起する機序を遺伝学的に検証する。またモデル動物を用い、臨床応用可能な治療法について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画がおおむね順調に進み、当初の想定よりやや物品の購入費が少なくなった。当該助成金は次年度必要な消耗品の購入、旅費、受託解析、研究成果の発表に使用する予定である。
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