研究課題/領域番号 |
21K07075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北條 慎太郎 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (90585556)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 多発性硬化症 / 実験的自己免疫性脳脊髄炎 / 骨髄系細胞 / T細胞 / 中枢神経系 / サイトカイン / サイトカイン受容体 / ゲートウェイ反射 |
研究成果の概要 |
本研究では、多発性硬化症(MS)モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の初発後に、末梢からCNSへと移行してきた骨髄系細胞が、どのようにして寛解期のCNSで長期生存能を獲得し、疼痛依存的な神経炎症の再発に関与するのか、その分子機序の解明を目指した。その結果、寛解期のCNSに存在する末梢由来の骨髄系細胞は、血液内皮細胞から産生されるGM-CSFを介した生存シグナルを恒常的に享受しており、疼痛刺激により再活性化されることで病態の再発を引き起こすことがわかった。本研究成果は、GM-CSFの抑制が、MSのような再発を伴う炎症性CNS疾患における治療アプローチとして有効である可能性を示した。
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自由記述の分野 |
免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、MSの病態モデルを基盤として我々が独自に発見した痛みゲートウェイ反射機構の詳細を解明する計画であり、自己免疫疾患寛解期における末梢由来CNS骨髄系細胞の長期生存能の獲得についてその分子機序を明らかにすることを目的とした。本研究成果により、(1)これまで知られていない末梢骨髄系細胞とは性状を異にするCNS骨髄系細胞の生活環、(2)自己免疫疾患の病態修飾における免疫系と神経系の相互作用についての新たな理解や概念の確立、(3)自己免疫疾患の再発を抑制しうる新たな臨床的介入法を提示することができた。
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