RNA編集酵素ADAR1の遺伝子変異は、インターフェロンの過剰産生や脳症を特徴とするエカルディ・グティエール症候群(AGS)を引き起こす。現状ではAGS脳症を再現するモデルは存在せず、その病態形成機構は十分には解明されていない。本研究では、Adar1遺伝子にAGS型点変異(K948N)をノックインした(AGS KI)マウスが、RNAセンサーMDA5の活性化に起因するAGS様脳症を示すことを見出した。さらに、これらの異常はADAR1 isoformであるp150のみを発現させることで正常化することが判明した。このため、MDA5の基質候補としてADAR1 p150選択的編集部位を網羅的に同定した。
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