研究課題/領域番号 |
21K07082
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小野 昌弘 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 客員准教授 (60447951)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | T細胞 / 免疫学 / 転写因子 / T細胞分化 / 制御性T細胞 |
研究実績の概要 |
Tregは末梢CD4+T細胞の10%程度を占め、転写因子Foxp3を恒常的に発現し、他のT細胞の活性を抑制できる.実験的にTreg細胞集団の大多数を除去すると自己免疫病や抗腫瘍免疫を誘導することができることが広く知られている.ところが生理的状況での免疫反応はごく少数の抗原特異的T細胞がはたらいて引き起こされるので、細胞集団レベルの解析では不十分である。
Tregが生体内で抑制活性を示す時には独特の転写メカニズムがはたらいていると考えられている.このような抑制活性の高いTregはエフェクターTreg(effector Treg)と呼ばれ,CTLA-4やICOSといった免疫チェックポイント分子を高発現し,転写因Myb,Blimp1,IRF4などに依存して分化する。しかしながら,これらの因子がどのようにして抑制活性につながるかは未だ不明である。一方でFoxp3の発現量が抑制活性と相関していることは明らかになっている。
本研究では、制御性T細胞の機能に重要である転写因子Foxp3の時間動態について検討した。Foxp3遺伝子の転写動態をモニタリングできる実験測定系であるFoxp3-Tocky(Timer-of-cell-kinetics-and-activity)を用いて、ここにCRISPRの技術をつかって遺伝子制御領域の欠損改変を導入し、この領域が転写動態にもつ役割をexvivo解析を中心に調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CRISPRによるFoxp3遺伝子当該制御領域の欠損は、制御性T細胞におけるFoxp3時間動態に対するインパクトがあること確認できている。
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今後の研究の推進方策 |
予定されているin vivo実験モデルならびに分子生物学的手法を適用して、制御性T細胞におけるFoxp3転写動態を決定するメカニズム解明のため、さらなる分析をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は比較的安いコストで行える実験を優先し、次年度により効果な実験を十分なサンプル数で行い、有用な結論がでるように計画している。
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