研究課題/領域番号 |
21K07083
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
町田 豪 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80583632)
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研究分担者 |
関根 英治 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40363759)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | MASP-3 / 補体第二経路 / 共免疫沈降 / ノックアウトマウス / レクチン経路認識分子 |
研究実績の概要 |
PAタグ融合リコンビナントマウスMASP-3(rmMASP-3-PA)を用いたクロスリンク共免疫沈降法で、MASP-3を活性化する酵素の候補として単離された分子について、遺伝子ノックアウトマウスの解析を行った。当該遺伝子欠損マウスの血清中におけるMASP-3ならびに補体D因子の活性化状態をWestern blottingで評価した結果、野生型マウス血清と同等であった。また、同マウス血清を用いて、補体第二経路、古典経路、レクチン経路の活性測定を行った結果、野生型―欠損マウス間で差は認められなかった。以上の結果から、本研究にてMASP-3を活性化する酵素の候補として単離された分子は、生体内におけるMASP-3の活性化ならびに補体活性化経路にほとんど関与しないことが強く示唆された。
また、野生型rmMASP-3-PAならびにレクチン経路認識分子と複合体を形成しない変異型rmMASP-3-PAを用いて、認識分子との複合体形成がMASP-3の活性化に関与するかを調べた。その結果、野生型―変異型rmMASP-3-PA共にマウス尾静脈内投与後30分以内に活性化が起こり、生体内におけるMASP-3の活性化にレクチン経路認識分子との複合体形成は重要でないことが示された。一方、野生型rmMASP-3-PAはマウス尾静脈内投与後24時間においても検出されたのに対し、変異型は投与後12時間までにほぼ検出されなくなった結果から、MASP-3のレクチン経路認識分子との複合体形成は、MASP-3の血中における保持時間の延長に役割を果たしている可能性が強く示唆された。本成果について、前年度に行った国内、国際学会での口頭発表のデータを基に、査読付き英語論文での発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の最大の目的であるMASP-3を活性化する酵素の同定は、候補として挙げられた分子の関与がほとんどないことが示されたため達成できていないが、その証明を完了した。 加えて、MASP-3がレクチン経路の認識分子と複合体を形成することがMASP-3の活性化に関与するとの仮定で実施した実験で、結果として活性化への関与は認められなかったが、血中への保持期間延長の可能性を見出し、研究期間半ばにおいて国内、国際学会での口頭発表としての採択や、高インパクトファクター雑誌での英語論文での成果発表(IF: 8.786)を達成できたことから、当初の計画以上に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
two-hybrid法などの相互作用分子同定法による実験的検討や、既知のセリンプロテアーゼのアミノ酸配列、基質認識部位の配列などのデータマイニングを駆使して、MASP-3を活性化する酵素の同定を試みる。
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