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2023 年度 実績報告書

がん細胞をメカノセンシタイザー撹乱によって硬化組織から排除する試み

研究課題

研究課題/領域番号 21K07090
研究機関秋田大学

研究代表者

栗山 正  秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (30398226)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード組織硬化 / テンションセンサー / がん転移 / 固定法
研究実績の概要

本研究は一般によく知られている「がんは硬い組織を好む」という事象をより定量的に評価し、がん細胞が感知している周辺組織の硬化というものが果たして正しいのかどうか、を検証する研究であり、この研究によってがん細胞が組織の硬さを感知する能力が正確な方が転移し易いのか、あるいは硬さを感知できないが故に周辺組織を改変しつづける特性があるのかというようながんの力覚と転移の方向性に何らかの法則性を見出そうという試みであった。皮下(特に♀個体の乳腺付近)に移植した乳がん細胞株MX-1は血管新生能力が高く、太い血管を伝って肺に血行性転移を引き起こす。それほど多くの確立されたがん細胞株がこの自然転移系を使えるわけでは無いため細胞の遺伝子改変に問題がある事は認識していたがそのまま使用した。転移を起こす際に原発巣をそのままにしていると腫瘍が大きくなりすぎて動物倫理に反する状態になる事が分かったため、腫瘍径が1cmに達したところで原発巣に入り込んでいる太い血管を結紮し、腫瘍を除去する事で原発巣がなくとも除去手術から14日から20日後には肺に腫瘍結節が認められ、血行性転移が再現できる事が分かった。しかしながら肺の腫瘍結節のFRET測定を行うと多くの細胞でプローブ発現が見られないがん細胞が増えていた。ゲノムの安定性の高い他の細胞を探すなどの工夫が必要である。FRET測定には3種類のカテゴリーがあり、FRET ratio, index, efficiencyとある。このうち最も直接的な測定がアクセプターブリーチングを用いたFRET efficiencyを求める方法であるのだが、固定を必要とする。この固定法により測定値が変化する事を見出し、それを改善するため新規の固定法を開発した。条件を最適化した経緯を論文にして報告した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Glyoxal-methyl-ethylene sulfonic acid fixative enhances the fixation of cytoskeletal structures for Forster resonance energy transfer measurements2024

    • 著者名/発表者名
      Kuriyama Sei、Thasaneeya Kuboki、Itoh Go、Kidoaki Satoru、Tanaka Masamitsu
    • 雑誌名

      Histochemistry and Cell Biology

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1007/s00418-024-02304-x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Exosomes secreted by ST3GAL5 high cancer cells promote peritoneal dissemination by establishing a premetastatic microenvironment2023

    • 著者名/発表者名
      Horie Misato、Takagane Kurara、Itoh Go、Kuriyama Sei、Yanagihara Kazuyoshi、Yashiro Masakazu、Umakoshi Michinobu、Goto Akiteru、Arita Junichi、Tanaka Masamitsu
    • 雑誌名

      Molecular Oncology

      巻: 18 ページ: 21~43

    • DOI

      10.1002/1878-0261.13524

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CCDC85A is regulated by miR-224-3p and augments cancer cell resistance to endoplasmic reticulum stress2023

    • 著者名/発表者名
      Takahashi So、Takagane Kurara、Itoh Go、Kuriyama Sei、Umakoshi Michinobu、Goto Akiteru、Yanagihara Kazuyoshi、Yashiro Masakazu、Iijima Katsunori、Tanaka Masamitsu
    • 雑誌名

      Frontiers in Oncology

      巻: 13 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fonc.2023.1196546

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characteristic tetraspanin expression patterns mark various tissues during early Xenopus development2023

    • 著者名/発表者名
      Kuriyama Sei、Tanaka Masamitsu
    • 雑誌名

      Development, Growth and Differentiation

      巻: 65 ページ: 109~119

    • DOI

      10.1111/dgd.12836

    • 査読あり
  • [学会発表] 転移に伴う腫瘍細胞外環境の力覚能力に関する解析2023

    • 著者名/発表者名
      栗山 正
    • 学会等名
      第82回 日本癌学会学術総会

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公開日: 2024-12-25  

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