がんは一般的に硬い組織を好むと言われる。実際にがん周辺の細胞が異常に細胞外基質を分泌し、組織が硬化することがある。しかし、がんがその硬さを認識しているかは不明である。我々は細胞骨格の張力をテンションセンサーという分子センサーで測定した。本研究では、硬さが分かっているメカノゲル上でがん細胞を培養し、その指標を基に生体内の硬さを推測するアプローチを取った。テンションセンサーはFRET(Forster Resonance Energy Transfer)という2つの蛍光タンパクの距離をエネルギー遷移量から算定する方法である。ゲル上と組織内を同等の感度で観察できる方法を開発したので報告する。
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