本研究課題では、肥満がどのようにがんの発症・進展に影響を与えるのか、分子レベルで解明することが目的である。栄養センサーmTORC1が、がん細胞のエネルギーバランス維持に重要であることを明らかにし、ポリソームプロファイリングとRNA-seq解析により、がん部で活性化したmRNA群を特定した。その解析から、「エネルギーバランス維持のためのmRNA翻訳の動的変化」という新たな概念を提唱し、肥満関連がん発症機構の解明に大きく貢献した。期間中には、Cell Metabolism誌に最終責任著者として論文を発表し、その他のハイインパクトジャーナルに共著論文を発表するなど、大きな成果を挙げることができた。
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