研究課題
基盤研究(C)
EGFRの運搬についてはエンドサイトーシス経路がこれまでに多くの報告が発表されているが、リサイクリング経路についてはよくわかっていない。本研究ではクラスリンアダプターであるAP-1およびGGA2がEGFRをリサイクリングエンドソームで認識し、そのリサイクリングに関わることを発表した。また、両因子は癌組織の腫瘍部において高発現していることから、腫瘍細胞において両因子の機能が増殖・浸潤に重要である可能性が示唆された。
腫瘍生物学
学術的意義:EGFRのリサイクリングの分子基盤はよくわかっていなかったが、本研究によりクラスリンアダプターのAP-1およびGGA2の関与を明らかにした。社会的意義:分子標的薬によるEGFRの阻害は癌治療の戦略であるが、その使用は数年後に薬剤耐性細胞を伴う。本研究で見出したEGFR阻害は新たな癌治療戦略であり、新たな抗癌剤による癌治療の可能性が示唆された。