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2021 年度 実施状況報告書

神経芽腫の悪性化シグナルの可逆的制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K07105
研究機関北里大学

研究代表者

堺 隆一  北里大学, 医学部, 教授 (40215603)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード神経芽腫 / チロシンホスファターゼ / PTP-RZ
研究実績の概要

初年度は神経芽腫におけるPTP-RZの機能解析のため、特異抗体、阻害剤、発現抑制のためのsiRNA、強制発現のためのcDNAベクターを準備し、それぞれの条件検討を行った。PTPRZは1つの遺伝子から3つのスプライシングバリアントがあることが知られ分子量はそれぞれ380、250、300(K)であるが、高度にグリコシル化されてさらに大きな分子量になると考えられる。最初、B&D(#610179)の抗体で観察された250kD以上のバンドはコンドロイチナーゼ処理によってもsiRNAによっても変化せず非特異的なバンドと考えられた。ただPTP-RZのcDNAを強制発現させると、この抗体のみが予想されるサイズのバンドを認識したため、調べた神経芽腫の細胞における内在性のPTP-RZの発現量が極めて低いためであると考えた。実際定量RT-PCRにてmRNA量を確認すると、神経芽腫細胞における発現は想定より低く、それに対してヒト肺小細胞がん細胞株H69において高い発現を認めた。この細胞を用いると合成したsiRNAはPTP-RZの発現を不完全ながら抑えることが認められ、siRNAとしては機能していると考えられた。PTP-RZとしてはvariant2,3,5の三種類をクローニングして全長の配列を確認した。これらをmycタグ、あるいはFlagタグをつけた形で神経芽腫細胞に発現し、細胞内局在や細胞の形態変化、増殖能・運動能に与える影響の確認を行っている。またPTP-RZはSrcファミリーキナーゼによりリン酸化されることが知られているため、活性型Srcと共発現させることによりリン酸化部位の同定や、リン酸化部位変異体の作成を現在進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

神経芽腫の内在性のPTP-RZの発現量が想定より少なかったため検出するのが難しく、特異的抗体の選別もcDNAでPTP-RZを発現してみるまでわからなかった。

今後の研究の推進方策

siRNAによる発現抑制や発現ベクターによる正常型および変異型のPTP-RZを神経芽腫細胞に発現させ、細胞の形態・増殖能・運動能などに与える影響を解析することで、PTP-RZの機能解析を行っていく。特にSrcファミリーキナーゼによりリン酸化される部位を同定し、その変異体などを用いて、PTP-RZのリン酸化による機能制御について新たな知見を得ていきたい。

次年度使用額が生じた理由

神経芽腫におけるPTP-RZタンパク質の同定に想定より時間がかかり、機能解析まで進むことができなかったため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Transferrin receptor 1 promotes the fibroblast growth factor receptor-mediated oncogenic potential of diffused-type gastric cancer2022

    • 著者名/発表者名
      Shirakihara Takuya、Yamaguchi Hideki、Kondo Tadashi、Yashiro Masakazu、Sakai Ryuichi
    • 雑誌名

      Oncogene

      巻: 41 ページ: 2587~2596

    • DOI

      10.1038/s41388-022-02270-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Integrin α5 mediates cancer cell-fibroblast adhesion and peritoneal dissemination of diffuse-type gastric carcinoma2022

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto Shingo、Nagano Yoshiko、Miyazaki Makoto、Nagamura Yuko、Sasaki Kazuki、Kawamura Takeshi、Yanagihara Kazuyoshi、Imai Toshio、Ohki Rieko、Yashiro Masakazu、Tanaka Masato、Sakai Ryuichi、Yamaguchi Hideki
    • 雑誌名

      Cancer Letters

      巻: 526 ページ: 335~345

    • DOI

      10.1016/j.canlet.2021.11.008

    • 査読あり
  • [雑誌論文] SHP2 as a Potential Therapeutic Target in Diffuse-Type Gastric Carcinoma Addicted to Receptor Tyrosine Kinase Signaling2021

    • 著者名/発表者名
      Nagamura Yuko、Miyazaki Makoto、Nagano Yoshiko、Tomiyama Arata、Ohki Rieko、Yanagihara Kazuyoshi、Sakai Ryuichi、Yamaguchi Hideki
    • 雑誌名

      Cancers

      巻: 13 ページ: 4309~4309

    • DOI

      10.3390/cancers13174309

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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