薬剤耐性を示すマウス骨肉腫細胞AOに抗がん剤Doxorubicinを処理すると、生き残った細胞にてアクチンの重合化、さらには転写調節因子MKL1が活性化することを見出した。次いで、AO細胞でMKL1を阻害すると抗がん剤に対する感受性が増加し、反対に、薬剤感受性を示すAX細胞でMKL1を発現誘導すると抗がん剤に抵抗性を示すようになった。さらに、ヒト骨肉腫細胞株においてDoxorubicinを処理するとともにアクチン重合を阻害すると、MKL1活性が阻害され、抗がん剤の抗腫瘍効果が増強されることが分かった。以上の結果から、MKL1は骨肉腫細胞において薬剤耐性制御因子として働くことが示唆された。
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