骨肉腫には免疫療法が奏功せず、その分子機構解明が難治症例克服に必要である。これまで独自の骨肉腫モデルとCRISPR-dCas9を用いたdropout screeningにより、骨肉腫が免疫回避するのに重要となる候補分子を抽出した。候補分子の発現を修飾した骨肉腫細胞を樹立し、C57BL/6野生型とSCIDマウスに移植し、野生型で特異的に腫瘍形成能が抑制される分子の絞り込みを行った。その結果、p53関連分子とアクチン結合タンパクは腫瘍免疫を阻害する可能性が示唆された。一方で、それら分子の発現低下によっても依然、原発巣や転移巣は形成され、今後は、腫瘍免疫側の疲弊に関係する分子機構の解明が課題である。
|