転写因子E2F1は、がん抑制因子RBの標的である。RBが機能欠損に陥った際に、がん抑制遺伝子を活性化する、E2F1の活性の制御機構を解析し、以下を明らかにした。E2F1のN末端領域に新たな転写活性化領域が存在し、基本転写因子GTF2H2と相互作用して、がん抑制遺伝子の活性化に貢献する。DDX5とWDR1が、がん化抑制に働くE2F1活性を増強する。E2F1は、p53に依存せずに細胞死を誘導出来、DDX5がそれを増強する。サイクリンD1とRelAががん化抑制に働くE2F1活性を抑制する。がん細胞株においてサイクリンD1またはRelAをノックダウンすると、がん化抑制に働くE2F1活性が増強する。
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