「不可逆的な細胞増殖の停止」と定義される細胞老化だが、実際にはがんのように「増殖停止した老化細胞が老化から脱出したと考えると説明しやすい病理現象」も存在するため、細胞老化の可逆性については未だに議論の余地がある。本研究は「細胞老化とは不可逆的な増殖停止である」という永年のドグマを再検討するものであり、本研究の成果から、細胞老化の概念が再定義され、老化細胞のがん化メカニズムが解明され、細胞のがん化の回避策や細胞や個体の若返り(rejuvenation)へのヒントが得られることが十分に期待できるため、本邦の直面する超高齢化社会問題を考える上でも非常に重要かつ興味深い研究であると考える
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