研究課題/領域番号 |
21K07146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 寛敦 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任助教 (30583215)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | XPR1 / Phosphate transporter / 卵巣がん / 卵巣明細胞がん / Apoptosis |
研究成果の概要 |
本研究では、卵巣明細胞がん細胞においてXPR1の発現を抑制すると顕著に増殖が抑制されること、さらには、XPR1の発現を恒常的に抑制したがん細胞を免疫不全マウスに移植すると、造腫瘍能の低下が認められることを見出いだし、論文として報告した。また、XPR1の阻害による細胞死誘導の分子機構の解明を進め、XPR1を阻害すると細胞内のリン量が増加して酸化ストレスが亢進すること、NFkBシグナルが活性化することを明らかにした。さらに、XPR1の発現を抑制した時のメタボローム解析を行い、酸化ストレス応答に重要な特定のシグナル伝達経路の代謝産物が有意に増加することを見出した。
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自由記述の分野 |
腫瘍生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵巣がんは、欧米においては80%近くが漿液性卵巣がんなのに対して、日本を含む東アジア圏では卵巣明細胞がんが約30%と高い割合を占める。また、卵巣明細胞がんは、腫瘍内の不均一性が高く化学療法に対しても抵抗性を有する。私たちはリンの排出を制御するXPR1が卵巣明細胞がんに対して有用な治療標的分子であることを報告した。また、XPR1は卵巣がんをはじめ様々ながんで発現が亢進しており、卵巣がんのみならず様々ながんにおける有望な治療標的分子となる可能性がある。引き続き、XPR1の機能解析および創薬研究を進めることで、卵巣明細胞がんの発がん機構の分子基盤の解明および画期的な新薬の創製が期待される。
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