本研究では、リン酸化酵素mTORC1によりP-bodyの液-液相分離が制御されることを同定した。リボソームプロファイリング解析とプロテオーム解析の結果、P-bodyに局在するmRNAについて、mTORC1によって翻訳が促進されることが明らかになった。これまでmTORC1により、リボソームタンパク質を標的とした翻訳制御が知られていたが、一方で本研究で見出した制御は異なるmRNAを標的とした制御であり、既知のシグナル伝達とは独立したものであった。P-bodyはこれまでに翻訳抑制に機能することが知られていたが、本研究からP-body形成は特定のmRNA群に対して翻訳促進的に機能することが分かった。
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