研究課題/領域番号 |
21K07171
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮川 隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20721939)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | lncRNA / 放射線治療 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、がんの放射線応答新規バイオマーカーを長塩基長非コードRNA(long non- coding RNA :lncRNA)というものをターゲットにして確立し、その機能を見出すことです。 放射線を照射したヒトがん培養細胞(子宮頚がん由来のHeLa細胞、肺がん由来のA549細胞な ど)を用い、放射線に応答する新規lncRNAの探索とその役割や生体内メカニズムを解明します。それにより、科学的エビデンスに基づいた放射線応答新規バイオマーカー確立へとつなげます。具体的な研究計画としては、1.ヒトがん由来培養細胞において放射線特異的に応答するlncRNAの同定、2.放射線照射前後で発現・細胞内動態が変わるがん関連タンパク質因子の同定、3.同定されたlncRNAとがん関連タンパク質因子との関係の解明、4.同定されたlncRNAの機能解析の4つです。 初年度はこのうち、研究計画初期段階として肝となる1.に焦点を当てて行いました。条件検討後、実際に臨床の現場で放射線治療が広く行われているがん由来の細胞(子宮頸がん由来のHeLa細胞や肺がん由来のH1299細胞、A549細胞など)に放射線を照射し、照射前後のlncRNA発現様式を解析することで、有意に発言変動が見られるlncRNA群をいくつか見つけました。また、lncRNAを含めたRNAはタンパク質と相互作用することで、その機能を発揮することがほとんどで、加えて、放射線照射前後で発現変動するタンパク質を見つかれば、それが放射線応答時のlncRNAの機能とリンクしている可能性が高いため、タンパク質同定も重要になります。本年度において、このタンパク質の候補もいくつか見出せました。また、次年度にスムーズに行うための条件検討も行いました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
放射線照射前後のタンパク質候補までいくつか見出せましたので、おおむね順調と考えます。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究計画に従い、粛々と進めていく予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍もあり、実験を控える傾向が続いていたため、予定よりも少し余ってしまいました。
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