研究課題
基盤研究(C)
本課題ではフローサイトメトリーを用いて細胞外小胞(sEV)を特異的かつ高感度に定量する方法の構築に取組んだ。抗体染色したsEVから未結合抗体を洗浄する方法について検証した結果、サイズ排除クロマトグラフィー法やTIM4アフィニティー法が洗浄法として適していることを明らかにした。このsEVのフローサイトメトリー解析系をがん細胞分泌sEVの解析やsEVの産生経路の解析などに利用することで、レアポピュレーションの高感度検出やsEVの多様性解析を実現した。
細胞生物学
がん、神経変性疾患、免疫など様々な疾患で、細胞が30-150 nmのサイズの細胞外小胞(sEV)を介してタンパク質や核酸などの情報を伝播することが知られており、sEVは創薬標的や診断マーカーとして注目されている。本課題は、sEVに搭載されたタンパク質や核酸を一粒子レベルで解析する技術の開発に成功した。これにより、血液などに微量に存在する疾患由来sEVの高感度検出や疾患関連sEVの産生経路の特定が可能となり、sEVを標的とした診断や治療薬の開発が加速すると期待される。