抗がん化学療法剤や分子標的薬などの抗がん剤は、本邦でのがん治療の中心となっている。しかし、これらの抗がん剤で一時的にはがんの退縮を認めても、多くの場合、再発してしまう。その機序として、がん治療後に残存した老化がん細胞が再発にかかわっている可能性が示唆されている。申請者は、抗がん剤治療後に残存した老化がん細胞を選択的に破壊する薬剤を用いてがんの根治を目指した複合的がん治療モデルの検証を多種類のヒトがん細胞を用いて実施し、この治療プロトコールが有効であることを示した。これらの成果は、がんの根治を期待できる複合的がん治療の可能性を示しており、がん治療効果を高めるために貴重な情報となると考えられる。
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