研究課題/領域番号 |
21K07178
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
たき平 将太 岡山大学, 大学病院, 医員 (90848863)
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研究分担者 |
中田 英二 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (10649304)
宝田 剛志 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30377428)
尾崎 敏文 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40294459)
山田 大祐 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (50733680)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | PRRX1 / MPNST |
研究実績の概要 |
我々は転写制御因子Paired related homeobox 1(PRRX1)について研究を行ってきた。PRRX1は四肢骨格形成に強く関与しているが、腫瘍の悪性化に関与するとの報告がある。オープンデータベースの解析にて悪性軟部腫瘍の1つである悪性末梢神経鞘腫(MPNST)においてPRRX1が比較的高発現していることを見出した。ヒト腫瘍検体においてPRRX1の発現の多寡を免疫染色にて確認し高発現/低発現と群分けし予後と肺転移について相関を評価したところ、高発現グループにおいて5年生存率は低く、転移率も高い結果となった。次にレンチウイルスベクターを用いてPRRX1に対するshRNA(shPRRX1)をヒトMPNST細胞株に導入、PRRX1の発現を抑制した細胞株を作製し、対照群(空ベクター導入群)とshPRRX1導入群間で増殖能、遊走能、浸潤能を検討したところ、増殖能・遊走能・浸潤能いずれも低下する結果となった。次にPiggybac systemを用いてPRRX1をドキシサイクリン依存的に過剰発現させるヒトMPNST細胞株を樹立した。対照群(ドキシサイクリン未処理群)とPRRX1過剰発現群(ドキシサイクリン処理群)間で増殖能、遊走能、浸潤能を検討したところ、PRRX1過剰発現群では増殖能に変化はなく、遊走能、浸潤能は増加していた。次に、PRRX1の発現を抑制した細胞株と対照群、それぞれの細胞株をマウスに皮下移植を行ったところshPRRX1導入群では腫瘍径は有意に縮小していた。本研究によりPRRX1は腫瘍悪性化の原因の可能性が示唆され、その働きを阻害する薬剤を見いだすことで、本来治療が困難なことが多いとされる軟部肉腫に対する新規治療法となり得る可能性が考えられた。本研究では悪性腫瘍のメカニズムの一端を解明しうるだけでなく、新規創薬開発の点においても非常に重要性が高いと考える。
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