研究課題/領域番号 |
21K07183
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
渡部 洋 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (80231009)
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研究分担者 |
竹原 和宏 独立行政法人国立病院機構四国がんセンター(臨床研究センター), その他部局等, 医長 (20510374)
刑部 光正 岩手医科大学, 医学部, 講師 (60400561)
齋藤 俊章 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 婦人科部長 (80162212)
有田 通恒 東邦大学, 医学部, 助教 (80307719)
小林 陽一 杏林大学, 医学部, 教授 (90205493)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 卵巣癌 / マイクロサテライト不安定性 / DNAミスマッチ修復 / EMAST / MSH3 |
研究実績の概要 |
上皮性卵巣癌におけるEMASTの解析のために、本年度は上皮性卵巣癌190例の手術摘出標本を用いて、1塩基反復領域マーカー5種類(Promega panel)、2塩基反復領域マーカー3種類(NCI panel)および4塩基反復領域マーカー7種類(EMASTmarker)を用いたMSI解析が終了した。この結果上皮性卵巣癌では一般的に判断される、1塩基反復領域、2塩基反復領域におけるMSIの頻度は低率であったが、EMASTの頻度は最も高率であった。EMAST例は特に明細胞癌に高頻度に認められ、臨床進行期との有意な関連性は認めなかった。またEMAST症例について、DNAミスマッチ修復異常関連蛋白の発現および特に注目されるMSH3遺伝子領域のコピー数増減、さらにはP53蛋白発現異常の解析を行った結果、MSH3蛋白発現異常、P53蛋白発現異常、MSH3遺伝子領域コピー数異常が確認されたが、MSH3異常の認められない症例も散見され上皮性卵巣癌におけるEMAST癌の臨床病理学的特徴発現の機序について検討中である。 さらに、検討症例の予後解析を行ったところEMAST症例の予後はマイクロサテライト安定性腫瘍(MSS)と同様の傾向を示しており、高頻度マイクロサテライト不安定性腫瘍(MSI-H)および低頻度マイクロサテライト不安定腫瘍(MSI-L)とは異なる生物学的悪性度を有するものと考えられた。今後さらに抗悪性腫瘍薬の有効性との関連および、免疫チェックポイント阻害約の適用に関する検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
MSI解析・免疫組織染色・コピー数異常解析は終了した。
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今後の研究の推進方策 |
現在EMAST症例の臨床的予後改善に向けてEMAST卵巣癌におけるPDL-1発現およびTILについて検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
EMAST症例に対するPDL-1発現解析およびMSH3遺伝子異常解析のために使用
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