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2023 年度 実績報告書

組換え麻疹ウイルス抗腫瘍療法における樹状細胞を利用した特異的腫瘍免疫確立法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K07190
研究機関東京大学

研究代表者

佐藤 宏樹  東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (50418654)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード腫瘍溶解性ウイルス / 麻疹ウイルス / 抗腫瘍免疫
研究実績の概要

申請者らはこれまでに、麻疹ウイルス野外株に対して免疫細胞受容体(SLAM)への結合能を欠失するアミノ酸変異(SLAMblind変異)を導入した組換え麻疹ウイルス(SLAMblindウイルス)を作出し、このウイルスが腫瘍細胞に効率よく感染し強い腫瘍溶解能を発揮することを証明してきた。さらに、免疫保有マウスの担癌マウスモデル系でもSLAMblindウイルスが腫瘍増大を抑制することを明らかにした。これらの知見を元に、本研究課題では、樹状細胞の分化・誘因活性をもつFlt3L遺伝子を組み込んだSLAMblindウイルスを作出し、樹状細胞を介した特異的腫瘍免疫活性を増強することで、SLAMblindウイルスの抗腫瘍効果をより引き出すことを目標とした。
これまでに、Flt3Lを組み込んだSLAMblindウイルス(SLAMblind-FL)を作出し、このウイルスが感染細胞の培養上清に効率よくFlt3Lを分泌し、そのFlt3Lが生理活性を持つことを確認した。
そこで、免疫保有担癌マウスモデル系を使って、in vivoでのSLAMblind-FLウイルスの抗腫瘍能を評価した。その結果、当該ウイルスは元のSLAMblindウイルスに比べて有意にマウスの生存曲線の改善がみられることが明らかになった。
さらにSLAMblind接種群と比較してSLAMblind-FL接種群では腫瘍内および腫瘍近傍リンパ節において腫瘍抗原特異的樹状細胞の集積が優位に上昇することが確認された。同時に腫瘍抗原特異的CD8陽性T細胞の集積、および活性化NK細胞の上昇も検出された。さらに、CD4陽性T細胞のTh1/Th2比がTh1型に傾くことが明らかになった。
以上のことから、SLAMblind-FLはFlt3Lの活性を起点に、抗腫瘍免疫応答が多岐に渡って活性化し、その結果腫瘍溶解能を上昇させることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Immune response elicited in the tumor microenvironment upon rMV‐SLAMblind cancer virotherapy2023

    • 著者名/発表者名
      Moritoh Kanako、Shoji Koichiro、Amagai Yosuke、Fujiyuki Tomoko、Sato Hiroki、Yoneda Misako、Kai Chieko
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 114 ページ: 2158~2168

    • DOI

      10.1111/cas.15740

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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