研究課題/領域番号 |
21K07191
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
堀 浩樹 三重大学, 医学系研究科, 教授 (40252366)
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研究分担者 |
森山 貴也 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (50625689)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 5アミノレブリン酸 / 光線力学療法 / 解糖系阻害 / 神経芽腫細胞 |
研究実績の概要 |
がん細胞への選択毒性が高く、経済的で治療後の晩期合併症がほとんどない5アミノレブリン酸併用光線力学療法(5ALA-PDT)の抗腫瘍効果を高めるため、がん細胞特異的糖代謝に着目した新しい治療法の開発を目指して研究を実施した。当該年度は、Pentose phosphate pathway (PPP) を含む解糖系の阻害薬である3-Bromopyruvate(Hexokinase II inhibitor)、2-Deoxyglucose(Glycolytic inhibitor)、Lonidamine(Hexokinase inhibitor)、Mannose(Glycolytic inhibitor)、Metformin (Hexokinase-II inhibitor)、Zoledronic acid (G6PD inhibitor)、6-Aminonicotinamide (G6PD inhibitor)、Polydatin (G6PD inhibitor)の神経芽腫細胞株に対する5ALA-PDTの効果増強作用について検討を行い、Hexokinase阻害薬とG6PD阻害薬が併用薬として有望であることを確認した。さらに、複数の神経芽腫細胞株を用いて、6-aminonicotinamide併用5ALA-PDTの併用効果発現のパターンより、細胞株をグループ分けし、SJ-N-JF細胞を最も併用効果が高い細胞株として同定した。この結果に基づき、今後の実験ではSJ-N-JFを使用することとした。現在、神経芽腫細胞株SJ-N-JFに対する6-Aminonicotinamide併用5ALA-PDTの細胞障害メカニズムとしてFerroptosisに着目し、研究を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症流行の影響で、研究室での活動が制限されていた時期があったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究進捗の軽度の遅れについては、2022年度の研究活動により修正することを計画する。2022年度は、神経芽腫に対する解糖系阻害薬併用5アミノレブリン酸光線力学療法の併用効果メカニズムを解明することを目的に研究を継続する。特に、細胞内のROS、NADPH、グルタチオン濃度の測定、細胞死のメカニズムとしてフェロトーシスに着目した検討を進める。さらに、細胞内酸化ストレスとフェロトーシスを増強させ、より強い抗腫瘍効果を誘導する治療法の開発を目指す。2023年度は、in vitro実験結果に基づき、実験動物を用いて解糖系阻害薬併用5アミノレブリン酸光線力学療法の有効性評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19流行に伴い、学内施設(研究施設)の使用制限が行われたため、予定していた研究の一部を実施することができなかったため。研究が遅れている分については、2022年度に実施する予定であり、繰越分の研究費を使用する計画である。
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