研究成果の概要 |
膵神経内分泌腫瘍(PanNEN)の病態は多様性に富んでおり不明な点が多い。手術治療を受けたPanNEN患者を対象として網羅的なタボローム解析をCE-MSを用いて行った。代謝物をGrade別に比較したところ、G2,G3において腫瘍のCreatineが有意に増加していた。リンパ節転移陽性群において腫瘍のN-Acetylgulutamate, SAH, Creatine, Glutatione, UDP-glucuronateの5物質が有意に増加していた。特にCreatineはPanNENの悪性度とも強い関連を認め、Creatineが今後治療標的や悪性度評価指標となりうる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
手術治療を受けたPanNEN患者を対象として網羅的なタボローム解析をCE-MSを用いて行い、いくつかの重要な代謝経路と代謝産物を同定した。その中でリンパ節転移陽性群において優位に増加していたN-Acetylgulutamate, SAH, Creatine, Glutatione, UDP-glucuronateの5物質は今後の診断や治療に有用な候補代謝物である。特にCreatineはPanNENの悪性度とも強い関連を認め、Creatineが今後の新たな治療標的や悪性度評価指標となりうる可能性が示唆された。この成果はこれまで不明であったPanNENの代謝面での病態解明を大きく進めた。
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