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2021 年度 実施状況報告書

KRAS阻害剤の耐性機序の解明及びその克服治療についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K07204
研究機関近畿大学

研究代表者

米阪 仁雄  近畿大学, 医学部, 講師 (30330260)

研究分担者 寺村 岳士  近畿大学, 大学病院, 講師 (40460901)
鈴木 慎一郎  近畿大学, 大学病院, 助教 (60823614)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードMET / KRAS
研究実績の概要

KRAS阻害剤ソトラシブ(AMG510)の耐性機序の解明、さらに耐性克服治療の開発につなげることが目的。
研究方法としてKRAS変異陽性でソトラシブ感受性肺癌細胞株H23及び同耐性株H23ARC10を用いて耐性の原因遺伝子の探索を行う。すでに網羅的な遺伝子解析によって耐性株でMET遺伝子増幅の出現を確認。さらに同耐性株に対しMET阻害剤の有効性をマウスモデルで確認。これらの研究成果はすでに論文発表をおこなった(Suzuki S, Yonesaka K, et al. Clin Cancer Research2021)。MET遺伝子増幅はSOS1、SHP2を介し、変異型及び野生型RASシグナルの増強をもたらした。このためSOS1、SHP2阻害剤とソトラシブの併用にも有効性を認めた。
現在あらたに樹立したソトラシブ耐性株H2122ARについて耐性機序の解明と耐性克服治療の検討を行っている。すなわち同耐性株について次世代シークエンサーによる遺伝子解析、マイクロアレイによる発現解析を実施。同定された遺伝子の異常に関連した阻害剤の投与試験を行っている。またその遺伝子について機能解析も行い、耐性のメカニズムを確認中である。同時にマウスモデル試験も開始しており、今後の耐性克服治療の臨床応用を目指した実験を行っている。またKRAS変異陽性患者由来の血液、腫瘍組織を収集しておりこれらについての遺伝子解析も予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

すでにKRAS阻害剤の耐性機序としてMET遺伝子増幅を同定し、論文発表を行った。さらにあらたな耐性細胞株H2122ARも樹立、遺伝子解析により候補となる遺伝子の異常を同定している。臨床検体の収集も計画通り進めている。

今後の研究の推進方策

新たに樹立されたソトラシブ耐性株H2122ARではMET遺伝子増幅はなく、既報の耐性因子を認めない。このため未知の耐性因子が存在していると予想され、探索・同定を行う。すでに候補となる遺伝子異常はつかめており、こちらについて機能解析やマウスモデルでの耐性克服研究を進める。
臨床検体についても遺伝子解析を開始し、耐性機序を同定する。将来の臨床での耐性克服治療への橋渡しとなるよう研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

新たに樹立したソトラシブ耐性株H2122ARでも新たな遺伝子異常がみつかり、今後機能解析やマウスモデルでの耐性克服実験を行う必要がある。具体的にはメチル化解析、免疫沈降、マウス移植モデルでの感受性試験等となる。このため次年度に予算を持ち越したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] KRAS Inhibitor Resistance in MET-Amplified KRAS G12C Non-Small Cell Lung Cancer Induced By RAS- and Non-RAS-Mediated Cell Signaling Mechanisms2021

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Shinichiro、Yonesaka Kimio、Teramura Takeshi、Takehara Toshiyuki、Kato Ryoji、Sakai Hitomi、Haratani Koji、Tanizaki Junko、Kawakami Hisato、Hayashi Hidetoshi、Sakai Kazuko、Nishio Kazuto、Nakagawa Kazuhiko
    • 雑誌名

      Clinical Cancer Research

      巻: 27 ページ: 5697~5707

    • DOI

      10.1158/1078-0432.CCR-21-0856

    • 査読あり
  • [学会発表] MET遺伝子増幅によるソトラシブへの耐性2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木慎一郎 米阪仁雄
    • 学会等名
      第80回日本癌学会学術総会

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公開日: 2022-12-28  

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