研究課題
本課題では2019年5月に開始した臨床研究「MORIOKA study」を推進し、進行再発がんを対象として臓器横断的かつ再発形式依存性にどのようにがん細胞由来血中DNA(ctDNA)が変動するかを観察することを目的としている。2021年5月までの期間で登録された314例に対する時系列採血を継続しており、2023年5月で全症例の2年間の追跡期間が終了した。登録されたがんの臓器・種類内訳(症例数)は、肺(57)、大腸(53)、食道(26)、子宮体部(25)、肝(23)、胃(17)、卵巣(13)、脳(12)、胆道(11)、骨軟部(10)、前立腺(10)、上部尿路上皮(9)、腎(8)、乳房(7)、頭頸部(7)、膵(6)、膀胱(5)、皮膚(5)、小児腫瘍(3)、子宮頚部(3)、造血器(2)、原発不明(2)となっている。2024年3月現在、すでに99%の症例で追跡が完了しており、採血タイムポイントの総数は2500となっている。登録した314例のうち、全例で初期試料(治療前の組織または血液)のパネルシークエンスは完了し、デジタルPCRについては65%については対応するプローブを現有しており、現在218症例について147種類のプローブ(症例当たり1-2種類)で解析を行っている。また、対応するCT/MRI画像診断は1500件の構造化された読影情報を得た。治療中の臨床情報は96%について入力が完了している。引き続き臨床情報の集積を集積を行っいるが、3か月に1回のがん関連診療科を対象としたMORIOKA studyの実務者会議を通して研究事務局と各科臨床医との意思疎通を図っている。すべての情報が揃い次第、臓器横断的に、薬剤特異的、遺伝子変異特異的、および再発形式特異的なctDNAの動態を解析する。なお、本課題に対して2021年度第2回先進ゲノム支援による支援を受けた。
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