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2022 年度 実施状況報告書

甲状腺癌におけるHOPXメチル化のLiquid biopsyとしての臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K07225
研究機関北里大学

研究代表者

加藤 弘  北里大学, 医学部, 准教授 (20337950)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードHOPX / DNAメチル化 / CD163 / M2マクロファージ / 甲状腺癌 / 甲状腺乳頭癌 / LMR / リンパ球-単球比
研究実績の概要

(1) 北里大学IRB承認 (#B17-233) の下,まず甲状腺濾胞癌のHOPX DNAメチル化の意義について解析した.手術検体の病理診断にて甲状腺濾胞癌と確定診断された47例と,比較良性検体として濾胞腺腫32例,腺腫様結節31例を用いた.術前に濾胞癌の診断可能性を探るための研究であり,正常甲状腺組織は対照とはしなかった.
HOPXメチル化値は甲状腺濾胞癌においてやや高い傾向にはあったが,統計学的に優位ではなかった(p=0.085).

(2) 一方,HOPXメチル化プロファイルにより,腫瘍間質の細胞に変化がみとめられたため,腫瘍微小環境に動員された免疫細胞の解析を施行した.遠隔転移のない根治切除を施行した甲状腺乳頭癌162例において術前末梢血白血球分画による炎症性マーカーであるリンパ球-単球比 (lymphocyte-monocyte-ratio, LMR) <5は独立再発リスク因子であった.そこで LMR の構成免疫担当細胞であるリンパ球, M2マクロファージ, 骨髄由来抑制細胞 (MDSC) を原発巣においてそれぞれ, CD3, CD163, CD33で免疫染色を施行した.内, CD163陽性 M2マクロファージの動員が独立再発予測因子であった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

大学院生・スタッフ減少による臨床業務負担および COVID-19流行による業務負担等による.

今後の研究の推進方策

●免疫細胞プロファイルは現在遠隔転移のない根治切除施行した甲状腺乳頭癌においてのみ終了している(論文投稿準備中). CD163陽性 M2マクロファージの動員が甲状腺乳頭癌の独立再発予測因子であった.現在 他組織型においても解析を進めており,HOPXメチル化プロファイルと組み合わせた評価も施行する予定である.
●放射性ヨード内用療法抵抗性の遠隔転移を有する分化癌症例において,分子標的薬 (mTKI) 導入前後を通して経時的に末梢血白血球分画および FACSによる免疫担当細胞プロファイルを施行する予定である.これにより,mTKI導入タイミングや mTKI治療効果予測に役立つか検討する.

次年度使用額が生じた理由

●大学院生・スタッフ減少による臨床業務負担および COVID-19流行による業務負担等により, 研究進行が遅れていたため.
●今年度は, (1)免疫細胞プロファイルは現在遠隔転移のない根治切除施行した甲状腺乳頭癌においてのみ終了している(論文投稿準備中). CD163陽性 M2マクロファージの動員が甲状腺乳頭癌の独立再発予測因子であった.現在 他組織型においても解析を進めており,HOPXメチル化プロファイルと組み合わせた評価も施行する予定である.
(2)射性ヨード内用療法抵抗性の遠隔転移を有する分化癌症例において,分子標的薬 (mTKI) 導入前後を通して経時的に末梢血白血球分画および FACSによる免疫担当細胞プロファイルを施行する予定である.これにより,mTKI導入タイミングや mTKI治療効果予測に役立つか検討する.

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公開日: 2023-12-25  

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