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2023 年度 実施状況報告書

甲状腺癌におけるHOPXメチル化のLiquid biopsyとしての臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K07225
研究機関北里大学

研究代表者

加藤 弘  北里大学, 医学部, 准教授 (20337950)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワードHOPX / DNAメチル化 / CD163 / TAM / 甲状腺癌 / 甲状腺乳頭癌 / LMR / リンパ球-単球比
研究実績の概要

HOPXプロモータDNAメチル化は甲状腺乳頭癌で癌特異的であり,再発予後因子であることを報告した(Oncotarget 2019).HOPXは甲状腺濾胞細胞分化と関連する遺伝子群と相関し,脱分化と関連する遺伝子群と逆相関していた.HOPXメチル化により腫瘍間質細胞に変化がみとめられており,免疫細胞との関連が示唆された.
(1)まず甲状腺濾胞癌のHOPX DNAメチル化の意義について解析した.手術検体の病理診断にて甲状腺濾胞癌と確定診断された47例と,比較良性検体として濾胞腺腫32例,腺腫様結節31例を用いた.HOPXメチル化値は甲状腺濾胞癌においてやや高い傾向にはあったが,統計学的有意差はなかった.
(2)根治切除を施行した甲状腺乳頭癌162例において術前リンパ球-単球比(LMR)低値は独立再発予測因子だった.LMRの構成免疫担当細胞であるリンパ球,TAM,骨髄由来抑制細胞(MDSC)をのマーカーであるCD3,CD163,CD33を用いて原発巣の免疫染色を行った.CD163+TAM動員はpN1b・術前低LMR値とともに,独立再発予測因子であった.CD163+TAM高密度群はstage II, IIIでは悪性予後を示したが,stage Iでは再発予後と関連なかった.多変量ロジスティクス相関解析でCD163+細胞の動員は低術前LMR値と正の相関を示し,術前単球分画とも正の相関を示しており,TAMのソースとしての単球分画増加と推察した.
TCGAデータベースでの解析では,TAM動員と関連のあるケモカインであるCCL20,CXCL1,CXCL5が進行stageと関連していた.以上の結果は論文投稿し,major revisionで再投稿済みである.
現在 他組織型においても解析を進めており,HOPXメチル化プロファイルと組み合わせた評価も施行する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

大学院生・スタッフ減少による臨床業務負担および COVID-19流行による業務負担・働き方改革導入等による.

今後の研究の推進方策

●免疫細胞プロファイルは現在遠隔転移のない根治切除施行した甲状腺乳頭癌においてのみ終了している(論文revise投稿済). CD163陽性 TAMの動員が甲状腺乳頭癌の独立再発予測因子であった.現在 他組織型においても解析を進めており,HOPXメチル化プロファイルと組み合わせた評価も施行する予定である.
●放射性ヨード内用療法抵抗性の遠隔転移を有する分化癌症例において,分子標的薬 (mTKI) 導入前後を通して経時的に末梢血白血球分画および FACSによる免疫担当細胞プロファイルを施行する予定である.これにより,mTKI・ゲノム医療導入タイミングや mTKI・ゲノム医療治療効果予測に役立つか検討する.

次年度使用額が生じた理由

研究の遅れ。
CD163陽性 TAMの動員が甲状腺乳頭癌の独立再発予測因子であった.現在 他組織型においても解析を進めており,HOPXメチル化プロファイルと組み合わせた評価も施行する予定である.
放射性ヨード内用療法抵抗性の遠隔転移を有する分化癌症例において,分子標的薬 (mTKI) 導入前後を通して経時的に末梢血白血球分画および FACSによる免疫担当細胞プロファイルを施行する予定である.これにより,mTKI・ゲノム医療導入タイミングや mTKI・ゲノム医療治療効果予測に役立つか検討する.

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公開日: 2024-12-25  

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