• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

抗原特異的CD8T細胞の疲弊化誘導における新規免疫チェックポイント分子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K07233
研究機関群馬大学

研究代表者

矢島 俊樹  群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20346852)

研究分担者 大瀧 容一  群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (00625402)
塚越 真梨子  群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60781317)
中澤 世識  群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (60791978)
調 憲  群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264025)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード疲弊化CD8T細胞
研究実績の概要

新規免疫ポイント分子の探索のためには、抗原特異的疲弊化CD8T細胞の遺伝子発現の変化を網羅的に解析することが必要と考え、生体内の10~50倍程度その細胞が誘導可能なマウス腫瘍モデルを確立し単離を行った。
抗原特異的疲弊化CD8T細胞を誘導するためのモデルとして、OT-Iマウス(OVA257-264特異的T細胞レセプタートランスジェニックマウス)の脾臓からナイーブCD8T細胞を単離しC57BL/6マウスに移入後、EG.7(卵白アルブミン産生EL-4細胞)を皮下接種した。まず、腫瘍接種後7,14,21日目の脾臓におけるOT-I細胞の動態、その機能および疲弊化マーカーをフローサイトメータで解析し、その細胞の疲弊化を評価した。腫瘍皮下接種後、脾臓で誘導されるOT-I細胞は、14日目でピークを迎え以後減少した。OT-I細胞におけるIFN-γの産生またはグランザイム発現を、14日目と21日目でそれぞれ比較すると70%と35%、30%と1%であった。PD-1発現は80%と70%と横ばいであった。これらの結果より、14日目では活性化CD8T細胞、21日目では疲弊化細胞であると判断した。
続いて、14日目(活性化CD8T細胞)と21日目(疲弊化CD8T細胞)の脾臓におけるOT-I細胞をそれぞれセルソーターで単離した。それぞれ、6乗オーダーの細胞が100%の純度で単離できたが、21日目ではその数はやや少なくなった。それらからRNAを抽出し、その収量と分解度を評価し網羅的解析が可能か評価した。RNA量はやや少なく、網羅的解析を行うためにはPCRでの増幅が必要であることがわかった。また、分解度はRIN値において5.0未満でソーティング操作の過程で細胞にダメージがある可能があった。RIN値の高い条件を検討し網羅的解析を行う必要があった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

単離の細胞数を十分取れたが、RNAの収量が十分でなく条件検討の必要がであるため。

今後の研究の推進方策

疲弊化CD8T細胞のソーティングを行うと、14日目、21日目ともに高い純度で細胞を単離できたが、その細胞数は21日目でやや少なく網羅的解析を行うにはPCRでの増幅が必要である可能性がある。RNAの分解度の解析で、RIN値が5.0未満でありソーティング操作の過程で細胞にダメージが加わっている可能があった。ダメージを与えないような工夫が必要でRIN値を高められるか検討を行っていく必要がある。ソーティングの際、時間を短縮する方法、冷却装置を用いる方法などRIN値の高い条件の設定をしてから、網羅的解析を行う予定である。また、条件設定を行う際、疲弊化細胞では死細胞が多くなる可能性があるため、まずは細胞数が十分確保できるコントロールとなるナイーブ細胞を用いて行う。その上で、脾臓、リンパ節、腫瘍浸潤リンパ球から疲弊化CD8T細胞の単離を行い、良好な条件で単離できた細胞を網羅的解析とラットへの免疫に使用する予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験においては、RNAの収量が十分でなく予定していた網羅的解析が行えず今年度は使用額が少なくなった。また群馬大学から香川大学への移動も影響した。

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi