研究課題/領域番号 |
21K07240
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
清水 大 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50723037)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | DNAメチル化 / ctDNA / 診断 |
研究実績の概要 |
研究代表者は、2019年度若手研究での「cfDNAを用いた大腸癌特異的メチル化マーカーによる大腸癌存在診断法の開発」を発展させ、27癌種にのぼる多癌種を鑑別診断し得るメチル化パネルの構築に成功している。作成したメチル化パネルの診断能は、自施設で入手した大腸癌・胃癌・乳癌の組織検体や、別の公共データベースから得られた腫瘍組織のメチル化データを用いることで検証し、その結果、人種・組織検体の保存法(凍結もしくはパラフィン包埋)・DNAメチル化の検出手法(アレイもしくはシーケンス)によらず、さらに腫瘍内不均一性の影響を受けずに、高い精度で27種の悪性腫瘍の診断に用いることができることを示した。また、血液中のcirculating tumor DNA(ctDNA)のメチル化状態からも、どの臓器由来の悪性腫瘍が存在するかを診断できる可能性が示された。さらには、原発不明癌症例の血液検体からも原発臓器を同定できる可能性が示された。上記結果は国際科学誌「Cancer Gene Therapy」に2021年11月8日付で掲載された。 本研究では、その先行研究で得られた知見を発展させるため、多癌種でのctDNA解析を計画実行中である。現在は、検体収集中の段階であり、新たな結果は得られていないが、研究は着実に進行している。診療各科に協力を要請し、血液検体の収集を進めている。また、ctDNAのメチル化解析技術は未だに開発段階であり、世界的にも確立されたものはないのが現状である。当初の研究計画に記載したGenomedia社での開発に限らず、有用なものを選択して用いる方針である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、ゲノム解析研究として試料収集中であるが、十分量が収集できておらず、解析に至っておらず、想定した予定より遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に従い、まずは粛々と試料を収集する。各診療科の協力を得ながら可及的速やかに試料を収集し、ctDNAメチル化解析を行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
現在、ゲノム解析研究として試料収集中であるが、解析までに至っておらず予算に余剰が出た。次年度ではctDNAメチル化解析に使用する予定である。
|