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2021 年度 実施状況報告書

形質細胞様樹状細胞の免疫寛容原性に基づくがん免疫抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K07245
研究機関宮崎大学

研究代表者

高木 秀明  宮崎大学, 医学部, 助教 (10719628)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード形質細胞様樹状細胞 / がん免疫
研究実績の概要

形質細胞様樹状細胞(pDCs)はToll様受容体 (TLR)7とTLR9のみを高発現し、多量のI型IFNを産生する免疫細胞である。現在までにpDCsがウイルス感染防御免疫応答の惹起やI型IFN関連自己免疫疾患の発症に重要な役割を担うことが明らかになりつつある。本研究課題の目的はこれまでに不明であった『がん免疫応答における“pDCs機能”の意義』を明らかにすることであり、令和3年度では、がん免疫応答におけるpDCsの役割およびそのSiglec-Hを介する制御機構について解明を試みた。具体的には、野生型(WT)マウス、Siglec-H欠損マウス、pDCs特異的消失マウスへ卵白アルブミン(OVA)発現組換えマウス悪性黒色腫細胞株(B16-OVA)を背部に移植する担がんマウスモデルを用いて以下の比較検討を行った。
1. 担がん野生型マウスを対照として、担がんSiglec-H欠損マウス/pDCs特異的消失マウスのがん進展制御効果について解析を行なった結果、WTマウスと比較してSiglec-H欠損マウスではがんの進展が抑制されていたが、pDCs特異的消失マウスでは増悪していた。
2. 担がん野生型マウスを対照として、担がんSiglec-H欠損マウス/pDCs特異的消失マウスのがん特異的T細胞応答について解析を行なった結果、WTマウスと比較してSiglec-H欠損マウスではがん組織浸潤T細胞における疲弊マーカーの発現は抑制され、サイトカイン産性能は高かった。その一方、pDCs特異的消失マウスではWTマウスと比較して疲弊マーカーの発現は上昇し、サイトカイン産性能は低下していた。

以上の結果からpDCsはがん組織浸潤T細胞応答を制御することでがん免疫応答に関与することが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に立案した項目を遂行し、おおむね想定通りの結果を得られることができた。実験計画の順番が前後しているものの順調に推移している為、今後の研究の遂行に問題はないと考えられる。

今後の研究の推進方策

今後も研究計画に従い、研究を遂行していく。
来年度は前年度までに得られた知見を元に、がん組織浸潤pDCsの役割を中心に解析を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Plasmacytoid dendritic cells potentiate an effective anti-tumor immunity by preventing T-cell exhaustion2021

    • 著者名/発表者名
      高木秀明
    • 学会等名
      第50回日本免疫学会学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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