研究課題/領域番号 |
21K07256
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
志牟田 美佐 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70609172)
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研究分担者 |
石川 太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (50547916)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 小脳 / 大脳小脳連関 / オプトジェネティクス / 運動学習 / トレーニング / 睡眠 |
研究実績の概要 |
運動学習の強化には、トレーニング中だけでなく、トレーニングの間の睡眠中においても脳内で活発なプロセスが進行していることが想定されており、特に睡眠中の大脳皮質と小脳の連関が注目されている。睡眠中に大脳皮質が感覚信号を再現(リプレイ)して小脳に伝達することで、小脳はいわばバーチャルな感覚信号によって記憶の強化を進めるというリプレイ仮説が提唱されている。本研究では、この仮説の検証を目的として、マウスのin vivo慢性実験系を用いて、睡眠中の大脳小脳連関が小脳運動学習に与える影響を探っている。今年度は、自然な睡眠と覚醒の状態が得られる自由行動下のマウスから、マルチ電極記録により大脳皮質2箇所と小脳皮質2箇所から同時に電場電位の記録を行った。長時間の自由行動中のマウスの覚醒・睡眠状態(レム、ノンレム)を、脳活動と筋電図記録から判別した。各状態における周波数帯域ごとの電場電位の変動とその変動の部位間での相関を解析した。その結果、大脳皮質と小脳皮質の活動相関は覚醒時やレム睡眠時よりもノンレム睡眠時に高くなることが明らかになった。この結果は、ノンレム睡眠が睡眠中の小脳への情報伝達に重要である可能性を示唆している。この結果は第101回日本生理学会大会で発表した。今後は瞬目反射条件付け等の運動学習課題とノンレム睡眠中の大脳小脳連関の強度との関連付けを進めることで、睡眠が運動学習のプロセスにどのような影響を与えるかを探索して行く。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
睡眠中の大脳小脳連関を解析し、学会発表を行った。一方で、他の業務の多忙により本研究の進行に若干の遅れが生じており、運動学習課題との関連づけに課題が残っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は瞬目反射条件付け等の運動学習課題を学習途中のマウスの睡眠状態を計測および操作し、ノンレム睡眠が運動学習にどのような影響を与えるかを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の業務の多忙により、本研究の進行に若干の遅れが生じている。次年度に消耗品購入のための予算を繰り越した。
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