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2023 年度 実績報告書

安静時にヒト全脳で瞬時的に生じる信号伝達の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K07269
研究機関株式会社国際電気通信基礎技術研究所

研究代表者

武田 祐輔  株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主任研究員 (60505981)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード安静時脳活動 / 信号伝達 / 脳磁図 / 時空間パターン
研究実績の概要

本研究では、安静時にヒト全脳で自発的・瞬時的に生じる信号伝達を明らかにする。
2023年度には、新しい脳磁図計測装置である光ポンピング磁力計のセンサ配置を決めるアルゴリズムを開発した(Takeda et al., 2023 NeuroImage)。開発アルゴリズムは、狙った脳部位の活動を精確に推定するためのセンサ配置を設計する。開発アルゴリズムを、単純なシミュレーションデータ、現実的なシミュレーションデータ、そして実データに適用することで、その特徴や有用性を明らかにした。開発アルゴリズムによって、光ポンピング磁力計を用いた簡便で高精度なヒト脳イメージングが可能になると期待される。
さらに、安静時にヒト全脳で瞬時的に生じる信号伝達を明らかにするため、大規模データベースCam-CAN (Cambridge Centre for Ageing Neuroscience) dataset inventoryから600名以上のT1強調画像、安静時脳磁図、行動データを入手・解析した。各被験者の脳磁図から、安静時脳活動に繰り返し現れる時空間パターンを推定した。時空間パターンは、約0.1秒の間に連続的に変化する全脳かつ複数周波数の脳活動を反映していた。時空間パターン内の信号伝達を明らかにするため、各脳部位・周波数におけるピーク時刻を検出し、ピーク時刻間の関係性を調査した。結果、時空間パターン内には、低周波から高周波へのピークの連鎖が高い頻度で生じていることが明らかになった。この結果は、低周波から高周波脳活動への信号伝達が、ヒト自発脳活動に繰り返し生じていることを示唆している。この周波数間の信号伝達は、全脳に分散された視覚・体性感覚等の情報が統合され意識が生まれる過程を反映しているのかもしれない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Sensor array design of optically pumped magnetometers for accurately estimating source currents2023

    • 著者名/発表者名
      Takeda Yusuke、Gomi Tomohiro、Umebayashi Ryu、Tomita Sadamu、Suzuki Keita、Hiroe Nobuo、Saikawa Jiro、Munaka Tatsuya、Yamashita Okito
    • 雑誌名

      NeuroImage

      巻: 277 ページ: 120257~120257

    • DOI

      10.1016/j.neuroimage.2023.120257

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 安静時脳活動に繰り返し現れる時空間パターン2024

    • 著者名/発表者名
      武田祐輔
    • 学会等名
      電気通信大学 技能情報学研究ステーション「音楽と脳」研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] Revealing whole-brain signal flows from resting-state MEG data2023

    • 著者名/発表者名
      Takeda Y, Hiroe N, Yamashita O
    • 学会等名
      OHBM2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 安静時にヒト全脳で瞬時的に生じる信号伝達の解明2023

    • 著者名/発表者名
      武田祐輔、廣江総雄、山下宙人
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会
    • 国際学会
  • [学会発表] OPM型MEGのための適応的環境ノイズ抑制手法の提案2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木啓大、武田祐輔、廣江総雄、山下宙人
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会
    • 国際学会
  • [学会発表] Estimating repetitive spatiotemporal patterns from resting-state brain activity data2023

    • 著者名/発表者名
      Takeda Y
    • 学会等名
      Sydney University Systems Neuroscience and Complexity (snac)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] SORM toolbox

    • URL

      https://bicr.atr.jp//~takeda/SORM.html

  • [備考] snac

    • URL

      https://www.youtube.com/watch?v=hSvy-z5YsHo&t=474s

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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