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2023 年度 研究成果報告書

慢性胃粘膜感染したピロリ菌が分泌する外膜小胞による神経炎症の制御機構

研究課題

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研究課題/領域番号 21K07287
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分51030:病態神経科学関連
研究機関近畿大学

研究代表者

朴 雅美  近畿大学, 医学部, 講師 (70469245)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードHelicobacter pylori / outer membrane vesicles / neuronal inflammation / Alzheimer's disease
研究成果の概要

Helicobacter pylori (HP)は胃に持続感染し消化性潰瘍・胃癌を引き起こす病原菌であるが、胃外疾患との関連も多く、アルツハイマー型認知症(AD)ではHPの感染率が高いことが報告されている。
本研究では動物モデルを用いてAD病態へのHP感染の影響とメカニズムの解明を目指した。HPを長期感染させた老齢ADマウスでは、脳でオートファジーや炎症に関連する遺伝子発現が増加すること、老人斑が減少することが分かった。HPが分泌する外膜小胞(OMV)は老齢マウスでのみ脳内に移行するが、OMVには好中球活性化proteinなどが含まれており、これらが脳の炎症などに影響している可能性が示唆された。

自由記述の分野

微生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

HPの胃外疾患との関連には不明な点が多い。本研究では古くから存在の知られていたOMVが病原菌の飛び道具としてホストに全身性の影響を与えるという新たな側面を見出した非常に意義深い研究成果である。本研究ではOMVが炎症を惹起する病原因子の1つであることが分かったが、脳へも移行可能なことからDrug delivery systemのキャリアーとしてOMVを用いるなどの方面でも応用が可能であると考えられる。
認知症は超高齢化を迎えている日本においては大きな社会問題となっており、本研究の成果は「ADの早期予防のためのHP除菌療法」の開発や提案につながる可能性があり、臨床的にも意義深いものであると考ている。

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公開日: 2025-01-30  

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